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■■令和3年度 天竜川流域侵略植物駆除7.25大作戦 終了■■


 DSC_1247天竜川ゆめ会議では、平成16年夏から『天竜川流域侵略植物駆除大作戦』と銘打って、地域の皆様と一緒に天竜川流域に繁茂する、特定外来植物に指定された「アレチウリ」の駆除に取り組んできました。その駆除範囲は、天竜川の源流である諏訪湖周辺から釜口水門、ホタルが有名な辰野町の天竜河畔、大泉川と天竜川の合流地点、伊那市・三峰川流域、宮田村大久保、駒ヶ根市水辺の楽校、中川村天の中川橋他、高森町新明神橋右岸下流、飯田市川路「かわらんべ」と、天竜川上流域の広範囲に及びます。それぞれの地区の行政、自治会や地域住民が連携を取りながら駆除活動を進めてきました。

しかし、昨年からの新型コロナウイルス感染拡大による各種行事の取りやめや自粛の動きを受けて、天竜川ゆめ会議執行部では協議の結果、昨年に続いて今年度も『会場は駒ヶ根会場のみ、参加者はゆめ会議会員限定の開催、』といった苦渋の判断が下されました。20年近く続けてきたNPOとしての河川環境を守る活動ですが、地域住民の皆さんの健康の安全確保を優先する選択となりました。コロナ終焉を祈りながら、一般参加者も含めた来年度以降の駆除活動再開を目指します。

 

■駒ヶ根会場の風景

令和3年7月25日(日)7時。朝からジリジリと夏の太陽が照り付ける中、作業服姿の天竜川ゆめ会議の会員が集合場所である駒ヶ根市天竜川左岸新宮川合流地点「水辺の楽校」に集まりはじめました。見慣れた顔ぶれに、コロナ対策により滞っている事業などについて情報交換が始まります。

今年度の天竜川ゆめ会議主催によるアレチウリ駆除活動が、駒ヶ根会場のみの開催となったために、天竜川流域に散らばっている会員が久しぶりに一堂に会しました。北は諏訪湖周辺の岡谷市から、南は豊岡村、喬木村、大鹿村、長野県境飯田市から駆け付けた会員もいます。総勢33名。

 

■アレチウリ駆除方法の確認

定刻7時30分より開会式がはじまりました。開会のあいさつとアレチウリの生態、駆除方法の再確認が福澤代表理事から説明されます。説明を聞いた会員の皆さんは天竜川の堤防と県道18号伊那生田飯田線の法面に繁茂するアレチウリを駆除するべく現場に向かいます。

天竜川の堤防ではすでに一度除草が行われているためにアレチウリのツルは姿を消し、新しく生えたアレチウリの芽が双葉を出し始めたところです。このころのアレチウリ駆除は容易で、会員の皆さんの手際よい動きで瞬く間に駆除作業は進みます。

一方、県道脇の法面いっぱいに広がったアレチウリの駆除作業は、長く伸びたツルの根元をたどって根を引き抜くのに苦労します。会員の皆さんはクズと下草と絡み合ったアレチウリと格闘しながら作業を進めました。それでも毎年継続的に続けているこの地区ではアレチウリが確実に姿を減らしていることが判ります。やはり継続して駆除することが重要だと感じます。

 

【駆除方法】

① つる長が1~2mになった段階で抜き取る 。1 回目は6月中の双葉のころに実施することが望ましい。また、駆除も楽。

② 1ヶ月後(7月)に、同様に、つる長が1~2mになったものを除去。

③ さらに1ヶ月後(8月)に、同様に、つる長が1~2m、さらに数mになったものを除去。この後は、花が咲くので「蜂」に注意しながら駆除作業を行う必要あり。

国土交通省千曲川河川事務所では抜き取り作業によるアレチウリ駆除方法を以下のように指導しています。

① 種を付ける前に抜き取る。

② できるだけ小さいうちに抜き取る。

③ 1 年に数回抜き取る。

④ アレチウリが現れなくなるまで数年間続ける。

というのがその基本で、6 月から9 月に計三回の駆除作業を数年間継続しないと効果が出ないとしています。また、長野県林業総合センターによれば、『長野県では8 月10 日以降に発芽した個体は、開花結実しない』という結果が出ています。

 

【抜き取り作業を行う際の注意点】

① 抜き取り作業は、数mおきに横に並んで前進しながら抜いていくとよいでしょう。

② 抜く際には、地際の子葉節を残さないようにします(根をつけて抜き取る方が望ましい)。

③アレチウリは‘外来生物法’によって「特定外来生物」に指定されており、生きたまま移動させることが禁止されています。防除を行う際にも、生きた植物体(発芽可能な種子も含みます)を発生区域外に持ち出さないよう十分に注意して下さい。

④服装は長靴、長袖、長ズボン、帽子、革手袋または作業用ゴム手袋(トゲがあるので軍手は向きません)、首にタオル、水筒持参、鎌(持参できる方)等。

⑤ 蜂に注意して色の濃い服装は避けましょう。

⑥ 熱中症予防のための飲み物、暑さ・日焼け対策の物を持参しましょう。

 

■作業終了

DSC_1256参加者同士が「密」にならないように間隔を開けて一列に並んで行った作業も終了です。参加者は作業場所を離れて集合場所の水辺の楽校にもどります。早朝からの作業に、おにぎりとスポーツドリンクで簡単な慰労会を行って解散です。昨年と違って作業後にすがすがしい会員の皆さんの笑顔が印象的でした。毎年継続して行ってきたことによりだいぶ成果が現れはじめたアレチウリ駆除作業ですが、今年もほぼすべての会場でアレチウリ駆除が行われなかったこととなりました。これにより、来年度の発芽と繁殖がどのようになるか興味深いところです。

 

 

ご参加いただきました会員の皆様、早朝からお疲れ様でした。