■■ 天竜川ゆめ会議 設立10周年記念フォーラム開催 その4 ■■
■活動報告 NPO法人天竜川ゆめ会議 副代表理事 橋爪 和也
【天竜川ゆめ会議10年の軌跡】
天竜川ゆめ会議橋爪副代表理事からは、天竜川ゆめ会議の設立から時系列で「天竜川ゆめ会議10年の軌跡」として活動内容が発表されました。
平成12年 天竜川水系河川整備計画原案の作成前の住民の合意形成を目的に、建設省天竜川上流工事事務所(現、国交省天竜川上流河川事務所)と長野県の呼掛けで「天竜川ゆめ会議」が編成される。活動期間:平成12年9月から平成14年3月迄。
住民の総意としてまとめられた「天竜川みらい計画」には、「環境」、「利用」、「治水」、「流域住民の意識」の、それぞれに整備方針を設定される。
平成14年7月有志が中心になり、「市民団体天竜川ゆめ会議」設立。天竜川みらい計画の実現に向けた具体的な活動を開始する。
平成18年7月 長野県知事より「特定非営利活動法人」認証。
現在に至る。
○平成15年
天竜川みらい計画のその後についての座談会開催。
天竜川流域の仲間たちのフォーラム開催。
○平成16年
天竜川流域侵略植物駆除8.1大作戦開催。
第1回小渋ダム水源地ツアー開催。
伝統漁法「ヤナ」漁復活プロジェクト開始
○平成17年
遠州灘アカウミガメ放流 ツアー開催。
第5回川の日ワークショップに参加、準グランプリ受賞。
第4回韓国川の日公州大会に参加、活動事例発表。
○平成18年
天竜川の河畔を考える会開催。
天竜川流域侵略植物駆除大作戦“冬の陣”開催。
「花・人・みどりの水源地域活性化大賞」奨励賞受賞。
○平成19年
第1回天竜川の知識認定試験実施。
駒ヶ根市より「水防協力団体」認定。
長野県環境審議会 第4次長野県水環境保全、総合計画策定専門委員会出席
○平成20年
天竜川河川整備計画(案)検討会議開催
諏訪湖クリーン祭にブース出展
○平成21年
天竜川を語る会開催
○平成22年
第2回いい川・いい川づくりワークショップに参加、準グランプリ受賞。
○平成23年
日本の″いい川”シンポジウム&研修会参加、活動事例及びパネリストとして発表。
シンポジウム「忘れまじ36災害」開催。
第10回韓国川の日蔚山大会に参加、活動事例発表。
○平成24年
天竜川ゆめ会議設立10周年記念フォーラム開催。
これらの企画ひとつひとつが、会員の皆様には懐かしい思い出として脳裏を過ぎった事と思います。また、会場の参加者の皆様も同様に活動内容を理解していただけたようです。橋爪副代表理事の発表からは、今後の10年に向けての強い意気込みが感じられました。
その5に続きます。
■活動報告 NPO法人天竜川ゆめ会議 副代表理事 橋爪 和也
【天竜川ゆめ会議10年の軌跡】
天竜川ゆめ会議橋爪副代表理事からは、天竜川ゆめ会議の設立から時系列で「天竜川ゆめ会議10年の軌跡」として活動内容が発表されました。
平成12年 天竜川水系河川整備計画原案の作成前の住民の合意形成を目的に、建設省天竜川上流工事事務所(現、国交省天竜川上流河川事務所)と長野県の呼掛けで「天竜川ゆめ会議」が編成される。活動期間:平成12年9月から平成14年3月迄。
住民の総意としてまとめられた「天竜川みらい計画」には、「環境」、「利用」、「治水」、「流域住民の意識」の、それぞれに整備方針を設定される。
平成14年7月有志が中心になり、「市民団体天竜川ゆめ会議」設立。天竜川みらい計画の実現に向けた具体的な活動を開始する。
平成18年7月 長野県知事より「特定非営利活動法人」認証。
現在に至る。
○平成15年
天竜川みらい計画のその後についての座談会開催。
天竜川流域の仲間たちのフォーラム開催。
○平成16年
天竜川流域侵略植物駆除8.1大作戦開催。
第1回小渋ダム水源地ツアー開催。
伝統漁法「ヤナ」漁復活プロジェクト開始
○平成17年
遠州灘アカウミガメ放流 ツアー開催。
第5回川の日ワークショップに参加、準グランプリ受賞。
第4回韓国川の日公州大会に参加、活動事例発表。
○平成18年
天竜川の河畔を考える会開催。
天竜川流域侵略植物駆除大作戦“冬の陣”開催。
「花・人・みどりの水源地域活性化大賞」奨励賞受賞。
○平成19年
第1回天竜川の知識認定試験実施。
駒ヶ根市より「水防協力団体」認定。
長野県環境審議会 第4次長野県水環境保全、総合計画策定専門委員会出席
○平成20年
天竜川河川整備計画(案)検討会議開催
諏訪湖クリーン祭にブース出展
○平成21年
天竜川を語る会開催
○平成22年
第2回いい川・いい川づくりワークショップに参加、準グランプリ受賞。
○平成23年
日本の″いい川”シンポジウム&研修会参加、活動事例及びパネリストとして発表。
シンポジウム「忘れまじ36災害」開催。
第10回韓国川の日蔚山大会に参加、活動事例発表。
○平成24年
天竜川ゆめ会議設立10周年記念フォーラム開催。
これらの企画ひとつひとつが、会員の皆様には懐かしい思い出として脳裏を過ぎった事と思います。また、会場の参加者の皆様も同様に活動内容を理解していただけたようです。橋爪副代表理事の発表からは、今後の10年に向けての強い意気込みが感じられました。
その5に続きます。
| 13:54
■■ 天竜川ゆめ会議 設立10周年記念フォーラム開催 その3 ■■
■事例報告
【全国の住民の取組み】 NPO法人全国水環境交流会 代表理事 山道省三様
山道代表理事からは、長い市民活動の経験から時系列で「川」を取り巻く市民活動の動向やキーワードが説明されました。1960年代の「地先の水辺の環境改善運動」による川のゴミ清掃、魚の放流、1970年代の「生き物の復活活動」によるホタル、トンボ、メダカ等の復活、カムバックサーモン等の活動。1980年代の「親水施設整備」によるウォーターフロント整備、各地に市民団体結成の風潮。1990年代の「官民パートナーシップ」協働のまちづくり、水辺整備への市民参加、ダム・河口堰の反対運動、活動団体のNPO法人化。2000年代の「水防災害への参画」阪神淡路大震災、水防協力団体制度、新潟・福井水害、東日本大震災による防災意識の変化。
そして、2010年代の「川づくりへの市民参加」により川での福祉・教育、川に学ぶ・地域防災への参画、多自然川づくりへの変化への予測が説明されました。
最後に”いい川づくり”とは、「自然や社会的な災害からの回避」、「豊かな生活や人生の実現」とした結論は、さすが山道代表理事らしいと感じました。
【東北の川づくり】 NPO法人水・環境ネット東北 専務理事 高橋万里子様
高橋専務理事からは、1993年創立、1999年NPO認証等の、水・環境ネット東北の成り立ちから、その設立趣旨である『様々な立場の多様な人たちが「水」をテーマに自由な意見交流の場づくり』について説明がありました。総合的学習支援、環境学習指導者研修、親子体験自然楽校から、市民活動団体も学校も行政も同じ場を共有して活動を発表する東北の川「川・水環境ワークショップ」等の積極的な活動内容が紹介されました。
その他にも、広瀬川コラボ事業「地域住民と協働でつくる川づくりの実践」や、東日本大震災の被災地において荒川学会の三井元子さんと一緒に進めている、『つながり・ぬくもりプロジェクト、太陽熱温水器寄贈プログラムの支援』事業によって、停電・燃料不足によりお風呂もシャワーも使えない避難場所、仮設住宅、ボランティア拠点などに太陽熱温水器を設置して太陽熱であたためたお湯を提供している取り組みが報告されました。
また、昨年12月に被災地石巻で行った@ワールドカフェ:東北の震災後の川や水環境を考えるワークショップ~これからの川づくりの話をしよう~の報告は、被災地の皆さんならではの意見集約に感動しました。
・ハード面:想定外の外力に対応する必要性
・ノウハウ仕組み:非難表示、避難体制、水門操作、情報伝達、
役割分担、「結い」の復活、地域の防災リーダー育成が重要
・災害を伝える:災害は30年で忘れられる、記憶に残す社会、ハザードマップ作成、
成功・失敗両方伝える、「車では逃げるな」「海から離れろ」、経験していない過去を学ぶ
・地域づくり、川づくりとまちづくり:生活の中での水辺の使い方、住民の合意形成、
水(海・川)とのかかわりを復興に生かす、市民目線で考えられる川づくり、
地域に合った土地利用計画の見直し
高橋さんのお話の根底には、ひとのつながり、地域のつながり、流域のつながり、活動のつながり、ときのつながり。「つながる」大切さが流れているような気がしました。
【多自然川づくりの普及】 岐阜県県土整備部 次長件河川課長 岩﨑福久様
岩﨑次長からは、「清流の国ぎふ」の実現のために岐阜県が取り組んできた先進的な多自然川づくりの取り組みについて報告がありました。
岐阜県では、国が進める多自然川づくりに呼応して”いい川づくり”をすすめて来ました。平成2年に国が「多自然型かわづくりの推進」を打ち出すと、平成3年には「多自然型川づくりシンポジウム開始」。平成9年の河川法改正を受けて、平成13年には「自然の水辺復活プロジェクト」に着手。平成18年に国が多自然川づくりレビューに着手すると、多種多様な生物を育む自然豊かで地域が誇れる「自然共生川づくり」を重点的に実施して、「自然の水辺復活プロジェクト」を強力に推進するため、ベストリバー事業を実施。平成19年に「中小河川に関するポイントブック」が刊行されると、「自然共生工法認定制度レビュー」、平成23年「多自然川づくりポイントブックⅢ」の発刊の頃には、「自然共生川づくりの手引き改定作業」を行なうなど国の政策一歩先を行く取組みが行われてきました。
中心的な施策である「自然の水辺復活プロジェクト」では、自然と共生した川をつくる、「水みち」の連続性を確保する、清流を学び次世代へ伝える、県民協働による流域活動に参加するとして事業を推進しています。
また、河川の経験のない技術者でも、自信を持って自然と共生した川づくりの業務を進めていけるように、川づくりの目標設定の手法等をわかりやすく取りまとめた手引書として、平成21年には「岐阜県自然共生川づくりの手引き(案)」を作成し、「川づくりの目標」を明確化、「川づくりの目標」達成のための工法選択が出来るようにサポート、「川を見る目」を養う等の取り組みが説明されました。
いっぽう、現場での取り組みについては、設計コンサルタント、施工業者、ブロックメーカー、発注者(行政)が、専門家を講師に招いて現場にて一緒に考える。「自然共生川づくり勉強会」の活動内容報告や、自然共生工法を施工するにあたっての出来形管理をどう行うか、使用するブロックの明度・彩度など景観に関する問題提起、現地材料を使用した水際の空隙の確保の研究、保全する河畔林の洪水等への注意喚起など、より具体的な施工業者の立場からの意見も紹介され、大変参考になるご説明を頂きました。
その4に続きます。
■事例報告
【全国の住民の取組み】 NPO法人全国水環境交流会 代表理事 山道省三様
山道代表理事からは、長い市民活動の経験から時系列で「川」を取り巻く市民活動の動向やキーワードが説明されました。1960年代の「地先の水辺の環境改善運動」による川のゴミ清掃、魚の放流、1970年代の「生き物の復活活動」によるホタル、トンボ、メダカ等の復活、カムバックサーモン等の活動。1980年代の「親水施設整備」によるウォーターフロント整備、各地に市民団体結成の風潮。1990年代の「官民パートナーシップ」協働のまちづくり、水辺整備への市民参加、ダム・河口堰の反対運動、活動団体のNPO法人化。2000年代の「水防災害への参画」阪神淡路大震災、水防協力団体制度、新潟・福井水害、東日本大震災による防災意識の変化。
そして、2010年代の「川づくりへの市民参加」により川での福祉・教育、川に学ぶ・地域防災への参画、多自然川づくりへの変化への予測が説明されました。
最後に”いい川づくり”とは、「自然や社会的な災害からの回避」、「豊かな生活や人生の実現」とした結論は、さすが山道代表理事らしいと感じました。
【東北の川づくり】 NPO法人水・環境ネット東北 専務理事 高橋万里子様
高橋専務理事からは、1993年創立、1999年NPO認証等の、水・環境ネット東北の成り立ちから、その設立趣旨である『様々な立場の多様な人たちが「水」をテーマに自由な意見交流の場づくり』について説明がありました。総合的学習支援、環境学習指導者研修、親子体験自然楽校から、市民活動団体も学校も行政も同じ場を共有して活動を発表する東北の川「川・水環境ワークショップ」等の積極的な活動内容が紹介されました。
その他にも、広瀬川コラボ事業「地域住民と協働でつくる川づくりの実践」や、東日本大震災の被災地において荒川学会の三井元子さんと一緒に進めている、『つながり・ぬくもりプロジェクト、太陽熱温水器寄贈プログラムの支援』事業によって、停電・燃料不足によりお風呂もシャワーも使えない避難場所、仮設住宅、ボランティア拠点などに太陽熱温水器を設置して太陽熱であたためたお湯を提供している取り組みが報告されました。
また、昨年12月に被災地石巻で行った@ワールドカフェ:東北の震災後の川や水環境を考えるワークショップ~これからの川づくりの話をしよう~の報告は、被災地の皆さんならではの意見集約に感動しました。
・ハード面:想定外の外力に対応する必要性
・ノウハウ仕組み:非難表示、避難体制、水門操作、情報伝達、
役割分担、「結い」の復活、地域の防災リーダー育成が重要
・災害を伝える:災害は30年で忘れられる、記憶に残す社会、ハザードマップ作成、
成功・失敗両方伝える、「車では逃げるな」「海から離れろ」、経験していない過去を学ぶ
・地域づくり、川づくりとまちづくり:生活の中での水辺の使い方、住民の合意形成、
水(海・川)とのかかわりを復興に生かす、市民目線で考えられる川づくり、
地域に合った土地利用計画の見直し
高橋さんのお話の根底には、ひとのつながり、地域のつながり、流域のつながり、活動のつながり、ときのつながり。「つながる」大切さが流れているような気がしました。
【多自然川づくりの普及】 岐阜県県土整備部 次長件河川課長 岩﨑福久様
岩﨑次長からは、「清流の国ぎふ」の実現のために岐阜県が取り組んできた先進的な多自然川づくりの取り組みについて報告がありました。
岐阜県では、国が進める多自然川づくりに呼応して”いい川づくり”をすすめて来ました。平成2年に国が「多自然型かわづくりの推進」を打ち出すと、平成3年には「多自然型川づくりシンポジウム開始」。平成9年の河川法改正を受けて、平成13年には「自然の水辺復活プロジェクト」に着手。平成18年に国が多自然川づくりレビューに着手すると、多種多様な生物を育む自然豊かで地域が誇れる「自然共生川づくり」を重点的に実施して、「自然の水辺復活プロジェクト」を強力に推進するため、ベストリバー事業を実施。平成19年に「中小河川に関するポイントブック」が刊行されると、「自然共生工法認定制度レビュー」、平成23年「多自然川づくりポイントブックⅢ」の発刊の頃には、「自然共生川づくりの手引き改定作業」を行なうなど国の政策一歩先を行く取組みが行われてきました。
中心的な施策である「自然の水辺復活プロジェクト」では、自然と共生した川をつくる、「水みち」の連続性を確保する、清流を学び次世代へ伝える、県民協働による流域活動に参加するとして事業を推進しています。
また、河川の経験のない技術者でも、自信を持って自然と共生した川づくりの業務を進めていけるように、川づくりの目標設定の手法等をわかりやすく取りまとめた手引書として、平成21年には「岐阜県自然共生川づくりの手引き(案)」を作成し、「川づくりの目標」を明確化、「川づくりの目標」達成のための工法選択が出来るようにサポート、「川を見る目」を養う等の取り組みが説明されました。
いっぽう、現場での取り組みについては、設計コンサルタント、施工業者、ブロックメーカー、発注者(行政)が、専門家を講師に招いて現場にて一緒に考える。「自然共生川づくり勉強会」の活動内容報告や、自然共生工法を施工するにあたっての出来形管理をどう行うか、使用するブロックの明度・彩度など景観に関する問題提起、現地材料を使用した水際の空隙の確保の研究、保全する河畔林の洪水等への注意喚起など、より具体的な施工業者の立場からの意見も紹介され、大変参考になるご説明を頂きました。
その4に続きます。
| 14:29
■■ 天竜川ゆめ会議 設立10周年記念フォーラム開催 その2 ■■
■基調講演 国土交通省中部地方整備局長 足立敏之様
【自然災害と川づくり】
足立局長の基調講演では、災害に苦しめられた2011年の中部地方の事例が報告され、まず台風12号で被災した紀伊半島の模様が紹介されました。熊野川、小野谷川、那智川の出水の様子、紀伊半島の大規模な土砂災害の模様、道路の寸断など自然災害の脅威を感じました。その際の、国土交通省TEC-FORCEの活動の様子も細かく紹介されました。
続いて、台風15号の愛知、静岡、岐阜の様子。庄内川の出水の模様も説明がありました。このようなことから、今後の防災の要点として以下の事項が呼びかけられました。
・超過洪水を視野に入れた対策の必要性
・よりきめ細かい避難対応の必要性
・河道閉塞などの大規模土砂災害への備え
・信頼性の高い道路ネットワークの確立
・国、県、市町村の連携
天竜川水系でも繰り返される平成18年、平成11年、昭和58年、昭和36年の災害の検証から、防災に関して水害と気候変動、局地的な大雨は増加傾向、台風の大型化、気温上昇と海面上昇、地球温暖化が水分野にもたらす脅威、気候変化による将来的な治水安全度の低下などが新たに指摘されました。
これらを踏まえて、これからの川づくりに求められる事柄として、
・温暖化の影響の懸念から、外力の大きさに対応した洪水対応の検討
・応急対策や復旧・復興のしやすい施設整備・地域づくり
・川らしい川本来の川の営みを生かした川づくり
・個別の多自然から、
河川全体の自然の営みを視野に入れた多自然川づくり
・地域の暮しや歴史・文化と結びついた川づくりへ
・河川管理全般を視野に入れた多自然川づくり
等が指摘され、「防災力向上」と「河川環境保全」の両立へ向けた提言がなされました。
その3に続きます。
■基調講演 国土交通省中部地方整備局長 足立敏之様
【自然災害と川づくり】
足立局長の基調講演では、災害に苦しめられた2011年の中部地方の事例が報告され、まず台風12号で被災した紀伊半島の模様が紹介されました。熊野川、小野谷川、那智川の出水の様子、紀伊半島の大規模な土砂災害の模様、道路の寸断など自然災害の脅威を感じました。その際の、国土交通省TEC-FORCEの活動の様子も細かく紹介されました。
続いて、台風15号の愛知、静岡、岐阜の様子。庄内川の出水の模様も説明がありました。このようなことから、今後の防災の要点として以下の事項が呼びかけられました。
・超過洪水を視野に入れた対策の必要性
・よりきめ細かい避難対応の必要性
・河道閉塞などの大規模土砂災害への備え
・信頼性の高い道路ネットワークの確立
・国、県、市町村の連携
天竜川水系でも繰り返される平成18年、平成11年、昭和58年、昭和36年の災害の検証から、防災に関して水害と気候変動、局地的な大雨は増加傾向、台風の大型化、気温上昇と海面上昇、地球温暖化が水分野にもたらす脅威、気候変化による将来的な治水安全度の低下などが新たに指摘されました。
これらを踏まえて、これからの川づくりに求められる事柄として、
・温暖化の影響の懸念から、外力の大きさに対応した洪水対応の検討
・応急対策や復旧・復興のしやすい施設整備・地域づくり
・川らしい川本来の川の営みを生かした川づくり
・個別の多自然から、
河川全体の自然の営みを視野に入れた多自然川づくり
・地域の暮しや歴史・文化と結びついた川づくりへ
・河川管理全般を視野に入れた多自然川づくり
等が指摘され、「防災力向上」と「河川環境保全」の両立へ向けた提言がなされました。
その3に続きます。
| 12:43
■■ 天竜川ゆめ会議 設立10周年記念フォーラム開催 その1 ■■
平成24年5月12日土曜日、長野県駒ヶ根市文化会館において
『特定非営利活動法人天竜川ゆめ会議設立10周年記念フォーラム』
~天竜川を自信と誇りを持って次世代に引き継ぐために~
が、約400名の参加者のもと開催されました。
フォーラムは、天竜川ゆめ会議吉川副代表理事の開会の挨拶と、36災害・東日本大震災で犠牲になられた方々への黙祷からはじまりました。
つづいて、共催者として杉本駒ヶ根市長から、10年後を見据えた「治水」「利水」「環境」「住民の意識のあり方」について参加者全員が情報の共有を図って欲しいとご挨拶を頂きました。
まず、国土交通省中部地方整備局足立局長の基調講演「自然災害と川づくり」から始まり、各地の“いい川づくり”の事例紹介をNPO法人全国水環境交流会山道代表理事、水・環境ネット東北の高橋専務理事、岐阜県県土整備部岩崎次長より頂きました。
その後、「天竜川ゆめ会議10年の軌跡」が橋爪副代表理事から報告されました。
パネルディスカッションでは、「地域防災力の向上」と「河川環境保全」の両立といったテーマで、国土交通省水管理・国土保全局河川環境課小池課長、長野県建設部北村部長、駒ヶ根市消防団滝沢団長、前出の水・環境ネット東北の高橋専務理事らをパネラーに迎えて議論されました。
最後に、昨年に続いて第2回となる「私の大好きな水辺の風景写真コンテスト」の表彰式が行われ、特別賞を含む35賞の受賞者が発表され表彰されました。
その2に続きます。
平成24年5月12日土曜日、長野県駒ヶ根市文化会館において
『特定非営利活動法人天竜川ゆめ会議設立10周年記念フォーラム』
~天竜川を自信と誇りを持って次世代に引き継ぐために~
が、約400名の参加者のもと開催されました。
フォーラムは、天竜川ゆめ会議吉川副代表理事の開会の挨拶と、36災害・東日本大震災で犠牲になられた方々への黙祷からはじまりました。
つづいて、共催者として杉本駒ヶ根市長から、10年後を見据えた「治水」「利水」「環境」「住民の意識のあり方」について参加者全員が情報の共有を図って欲しいとご挨拶を頂きました。
まず、国土交通省中部地方整備局足立局長の基調講演「自然災害と川づくり」から始まり、各地の“いい川づくり”の事例紹介をNPO法人全国水環境交流会山道代表理事、水・環境ネット東北の高橋専務理事、岐阜県県土整備部岩崎次長より頂きました。
その後、「天竜川ゆめ会議10年の軌跡」が橋爪副代表理事から報告されました。
パネルディスカッションでは、「地域防災力の向上」と「河川環境保全」の両立といったテーマで、国土交通省水管理・国土保全局河川環境課小池課長、長野県建設部北村部長、駒ヶ根市消防団滝沢団長、前出の水・環境ネット東北の高橋専務理事らをパネラーに迎えて議論されました。
最後に、昨年に続いて第2回となる「私の大好きな水辺の風景写真コンテスト」の表彰式が行われ、特別賞を含む35賞の受賞者が発表され表彰されました。
その2に続きます。
| 12:08